トモダチ

ホントハ、イイタクテ、イエナクテ、

ユウキヲ、トモダチニワケテモラッタ

トモダチ

「じゃあ、最上さんは?」

「え?私?恋愛なんて今は無い無い!」

「そーなの~?そろそろ彼、欲しくない?」

「まだ、私には」

 女が四人集まれば恋愛文殊の知恵。

自分達の現況確認は怠らない。

「でも、最上さんが敦賀蓮と車の中で一緒にいるのを見たって聞いたよ?」

「敦賀さんが彼なの?」

「先輩、先輩っ!」

「へー。うらやましい~。後輩になって私も一緒の車に乗ってみたーい」

『「好き」なんて言葉が一切ない世界でなら、恋、楽しんでいるけど。すごく近くにいるけど、ファンと同じだもの』

 と、彼女達には言えなかったの。

彼女達は、トモダチだよ。

みんなを信じてない訳じゃないの。

でも、まだ全部のトモダチに言ってはいけない言葉があるの。

 言ってしまったら、世界が壊れてしまいそうで、言えないんだって分かってね。

モー子さんには、正直に、伝えたの。

そして、「わたし、ばかみたいでしょ?」って言ったら、「いいんじゃない。でも言ってみたら?」とだけ、言っていた。

トモダチが「いいんじゃない」って言ってくれると、どうして今の世界を壊す勇気が出るのかな。

 思わず、「好きです」なんてありえない言葉を使って、世界をぶっ壊してみようかな、なんて気になってしまった。



2009.7.18