小野不由美先生のゴーストハントシリーズがリライトしたのが数年前、それから、今回文庫版で販売が開始されて、並んでいるのを手に取りました。
でも、子どものころ読んだ、ティーンズハート版が最も好きだったり、いなだ先生が漫画化したのがたのしかったり、なんとなく買う気にならならず・・・。あんなに文庫版の再販を望んでいたのに、リライトがかかったら、興味を無くすなんて。本の記憶は初読に詰まっているのかもしれないと最近思うことがあります。
書く側からするとリライトしないと直視できない気持ちがすごくよく分かるんです。二次ごときのものですが・・・。すみません。でもいつでも読み返すたびに全然違う!!!そうじゃなーい!!!!と今の自分が過去の自分にダメ出しをしてしまうのです。
でも、誰かほかの人の作品を読む側になると、急に元の、少し若くて、少し青くて、少しかわいい、あれが最高だったなあと思ったりするのです。直さないでくれた方が嬉しい、と。
リライトと言えば、藤本ひとみ先生の月光のピアスシリーズもご本人ではない作家様のリライトがかかり、監修が入っているのに原型は崩れたと聞いて未だに買えていません。大好きだった記憶しかありません。藤本先生の各シリーズ。鈴影さん、リライト版で完全完結とのことだったので、答えが出るのかと思いきや、旧版の終わりと同じだったうえ、まさかの○にオチっぽい雰囲気みたいで、怖くて買えない。もしそうだとしたら涙しかありません・・・(作者様がそう決めていたのであれば心して従うしかありませんが、、、)。
私の世代のコバルト文庫と講談社のティーンズハートは神でした。
今ツイッターなどで、その当時の文庫作者さんがいかに作家として大変だったかを吐露したツイートなどを時々目にする事もあります。
で、リライトするにしても原型をたくさん残して欲しい!というのが旧来の読者です。
新たな読者さまはきっと、今の十二国記的な文体に慣れているので、今のリライト版の方がしっくりくるのかもしれない。
そのような訳で、自分がいくつかだいぶリライトしたのをやっぱり原型で本にするべきだったのだろうか、直しておいた方がよみやすくなったのだろうか、と、未だに自問自答することがあります。二次だからいいんだけども、でも、たとえ二次でも私が人生で何か形にしたものはいずれ自然に還るにしてもしっかりしておきたいと思ったり。なんとなく、ずっと考えていることです。
CROSSやSEASONSはもう本も完売してしまったし、こちらのサイトに移すにしても、旧版と本に入れたのとどちらも置いておいた方がいいのか、とか、色々(SEASONSは本を持って完全に完結したのでサイト版は役に立ちませんが)。2005年当時の自分と、2008年、2009年当時の自分、もう両方とも遠い過去の自分の文章で、今読めばどちらももっと直せてしまう。でも2005年、当初のライトで粗削りだけども何か書きたくて一生懸命だった文章はあの歳の私にしか書けない文章で、今の私にCROSSをもう一度書かせたらもっとヘヴィになってしまうと思う。だからやっぱり元のまま、でも、参考までに本版も置いてもいいのかな、などなど、いまだに迷っています。責任者として自分で読み返さない文章をここに載せるのもなあという葛藤も同時にあります。
今、また旧サイトから移動をかけるため、改稿をかけているのですが、できる限り原型を残すようにして、すっきりさせるに留めるようにしています。
15年近く前の自分の文章を直すというのは成長なのか、老化なのかは未だに結論が出ません。
ゴーストハントシリーズや月光のピアスシリーズがリライトされ文庫化されたのを手に取り、文章が美しくなり、本も美しくなったのに、大好きなのになぜか買う気にならない自分の中のこの葛藤をもっと言語化しないとな、と、思う今日この頃です。ずっと、幸せになってくれるんだと、子ども心のまま純粋に願っていたのかも。心底大好きな主人公たち、幸せになってくれるんだろうと願った子どもの頃の思い出は、そのまま熱いまま、夢でいいから幸せでいて欲しいのかもしれません・・・。未だに、心奪われ、様々な事情で未完のままの作品たちが、いつか幸せに終わってくれることを願ってばかりいます。
あと、本とは何を読んでいるのか、とも最近思うようになりました。読めない本は読めない。文体でも文章でもなく、作家様ご本人の「何か」を読んでいるのかもしれない、と・・・。「人」の出した感情のエネルギーのようなものを読んでいるのではないか、と、思ったりします。書かれていない向こう側の何か。広げる小説と異なり、漫画は逆に圧縮する側にあると思うので、圧縮したエネルギーが大きければ大きい程面白いと感じる作品になるのではないか、と・・・。小説と漫画に共通するのは、人の中に眠るネガティブな感情を限りなくポジティブな形で利用して形作っていることではないかと思ったり。ネガティブな感情を圧縮すればするほど、面白くなってしまうというパラドックス。スキビも元は?今も?愛と憎しみと復讐がテーマですもんね!実生活ではしないからこそ、その自分の中の様々なネガティブな感情をポジティブに置き換えるために楽しく読んでいるのかもしれませんしね。
でも歳をとるとそのたくさんあったはずのネガティブな感情が、まあそういうこともあるよねとあれこれ飲み込めてしまえるようになって、あまりその、若い頃のように強く圧縮できなくなってきて、どんどんさらっとしてしまうのを好むなあ、もっと圧縮しないとなあ、というのが最近の私の自分への叱咤激励です。でもサイトではもう幸せな二人を見ていればそれでとも思っています・・・。
あれ、更新の連絡が、なんだか、葛藤の発露となってしまいました。
過去の文章、はずかしくてしょうがないのだろうな~(笑)。
だからこんなに色々書いてしまうのだと思います。
でもたくさん読んで下さって、どうもありがとうございます。
はやく移し終わると良いのですが、のんびり、移動しています。
糖度が高すぎて私が読み返せず動かせないのとか、もう、本誌との関係でずれてしまい関係ない文章となってしまったものとか、どうしよう・・・。
ブツブツ・・・(笑)